はじめに
devDash は、複数プロジェクトを抱えるPjMの “頭の中の負荷” を構造的に下げるために開発しているツールです。
このプロダクトノートでは、devDash の主要機能を1つずつ、設計の意図と一緒に紹介していきます。今回のテーマは 「複数プロジェクトの横断管理」。
複数のプロジェクトを受け持つPjMにとっては、課題を感じていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。何より、既存のタスク管理ツールだとなかなかそこにフォーカスされた使いやすいものがない印象で、devDashではそこを最初にフォーカスしました。
なぜそう設計したか、実際にどう使うか、書いていきます。
複数案件の管理を行えるのは、脳のメモリの限界値まで
受託開発でもプロダクト開発でも、PjMが3案件、5案件と抱えるのは珍しくありません。ベテランになると10案件以上を並行で見ている人もいます。
ただ、案件数が増えるにつれて、PjMがやっている “頭の中での管理” は確実に破綻していきます。
- 朝、Slackを開く前に「今日はどの案件を優先すべきか」が即答できない
- 「A案件のあの確認、いつまでに必要だっけ」と思い出せない瞬間がある
- 「来週、自分のチームのリソース足りる?」と聞かれて、即答できない
- 月曜朝会の前に、各案件のステータス整理だけで30分溶ける
これは個別のPjMが怠惰だからではなく、情報の量が一人の頭で並列処理できる限界を超えているから起きています。
そして、この負荷は「もっと頑張る」では解決しません。構造的な問題なのです。
なぜ既存のツールでは “複数プロジェクト管理” が苦しいのか
世の中にはタスク管理ツール、プロジェクト管理ツールが山ほどあります。名前を挙げ始めるとキリがない。
ただ、そのほとんどは 「1ツール = 1プロジェクト」を前提に設計されています。ワークスペースやプロジェクトという単位でデータが分離していて、別のプロジェクトに行くにはワンクリック必要、という構造。これは1つのプロジェクトを深く管理するには向いていますが、複数案件を抱えるPjMが「全体像を一目で見る」用途には向いていません。
もちろん一部のツールには横断ビュー的な機能もあります。ただ、メジャーなツールの基本設計はあくまで1PJ単位であり、横断ビューは “オマケ” の位置づけ。アドオンや独自ダッシュボードを自分で組まないと、欲しい情報が出てこないのが現実です。
結局PjMがやっているのは、頭の中で各PJのステータスを統合する作業。「A案件は来週リリース、B案件は要件詰め中、C案件は遅延ぎみ……」と脳内で並列処理しながら、優先順位を決め、リソース配分を考える。
この “頭の中の統合作業” こそが、PjMの目に見えない負荷の正体です。そしてこの負荷は、PjMの能力ではなく、ツールの前提条件によって発生している。
つまり、複数PJ管理に必要なのは “もっと優秀なPjM” ではなく、「最初から複数PJを前提に設計されたツール」なのです。
devDash の横断ビュー:プロジェクト × 時間軸のマトリクス
devDash の横断ビューは、シンプルに言うと「全プロジェクトのタスクを時間軸に並べて、1画面で見る」ためのビューです。
↓こんな感じ

行が各プロジェクト、列が日付。各セルには、その期日に設定されているタスクが並びます。プロジェクトをまたいで同じ画面に並ぶので、ワンクリックで切り替える必要がありません。上部のメンバーフィルターで「自分のタスクだけ」「特定メンバーのタスクだけ」と視点を切り替えることもできます。
だいそれた機能ではないです。でも、複数案件を抱えるPjMがこれを使うと、見える世界が変わります。
全PJのタスクが期日順に並ぶ ― タスク漏れが構造的に防げる
複数案件を抱えるPjMの最大のリスクは「思い出せないタスクが出てくる」こと。各PJのツールに潜って確認しない限り、何が漏れているか分からない、というのが普通の状態です。
横断ビューでは、期日が過ぎたタスクは 「先週以前」列に自動的に集まります。

ここに何か乗っている時点で「対応漏れ、もしくは期日見直しが必要なタスクが存在する」というアラートになります。複数PJを横断して、1つも漏らさず可視化される感覚は、PjMにとってかなり大きい。
今週のタスクも日付別に並ぶので、「明日までに何があるか」「今週どの曜日が忙しいか」がPJを横断して即座に把握できます。
負荷の重なりが一画面で見える ― リソース配分の判断が早くなる
複数PJを抱えていると、よくあるのが「気づいたら同じ週に複数PJのデッドラインが重なっていた」というケース。それぞれのPJ単位で見ていると気づきにくいんですが、横断で見ると一発で分かります。

縦の列に複数PJのタスクが並んでいれば、「この日、複数PJの締切が重なっている → リソース配分を見直すべき」という判断が瞬時にできます。
さらに devDash では、横断ビューの画面内に メンバーのリソース状況 も並べて表示しています。「この日は暇そう」「この週は負荷が高い」が、タスクと一緒に見える。

タスクだけを並べるのではなく、「タスク + リソース + PJ進捗」を1つの視野に収める ― これによりPJ管理の難易度が段違いに下がると思っています。
実際の使い方:1日 / 1週間のサイクル
日常的にどう使うか、具体的に:
- 週の始まり:横断ビューを開いて、「先週以前」列に何か載っていないか確認 → 漏れ対応 or 期日見直し
- 毎日:機能、今日、明日のタスクを確認 → 昨日の進捗確認、今日の優先順位決定、明日以降の調整
- 週末:来週の予定に切り替え → 来週のタスク予定を確認 → 必要ならタスク配分を見直し
- タスク差し込み時など:メンバー別のリソース状況をチェックし、アサインやタイミングを調整
大したことは一切していません。でも、この “見る側” の負荷が下がるだけで、PjMの体感はかなり変わります。これは正直、文章では伝わりにくい部分なので、ぜひ実際に試してほしいところです。
おわりに:複数PJ管理は、PjMの能力ではなくツールの問題
複数プロジェクトを抱えるPjMの負荷は、頑張りや経験で乗り越えるものではなく、ツールの設計で構造的に下げられるものだと考えています。
devDash の横断ビューは、その思想を最初に形にした機能です。タスクを見やすく並べて管理できるのはもちろん、リソース状況も含めて、PjMが判断するのに必要な情報を1画面に集約する。それだけのことなんですが、複数案件を回している人ほど、効果を体感しやすい設計になっています。
ここまで読んでくださった方の中で、「いま頭の中で全PJを並列に回している感覚がある」「月曜朝のステータス整理だけで疲れる」という心当たりがある方は、ぜひ一度実際に触ってみてください。文章では伝わりきらない違いがあると思います。